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ベトナム・ハノイ視察記

お知らせ

この度かねてからお付き合いのある株式会社KMSI(Kitahara Medical Strategies International)の海外事業にハートフルグループも協力させていただくことになりました。そのため、ベトナムのハノイを訪れ、現地の医療事情や薬局事情を視察してきました。

ベトナムは人口1億人と日本とほぼ同じで、製造業、サービス業、農業が主要産業です。今回訪れたハノイ市はベトナムの首都で、多くの政府機関や民間企業がある人口800万の大都市です。

医療面では、健康保険制度や医療機関の不便さから、街の薬局に行って相談しながら薬を買うことが多いそうです。街の薬局では処方せんによる販売も行っていますが、技術料などはなく、薬代の一部が保険で支払われるのみで、薬局は薬の販売代金で利益を得る仕組みになっています。また、日本では処方せんが必要な医薬品も普通に買うことができるものもあります。

薬局は全土で39,000店以上あり、個人経営から大手チェーンまで様々ですが、外国資本の会社が医薬品の流通を行うことが禁止されているため、日本企業の薬局はありません。今回私たちは、大手チェーンのLong ChauとPharmacity、中小のOmipharmaの薬局を訪れました。

Long Chauの薬局は日用品等の扱いは少なく、医薬品とサプリメントが主な品揃えです。ベトナムでは医師が処方せんでサプリメントも指示することが非常に多く、カルシウム剤、ビタミン剤やグルコサミンなどが当たり前のように処方されていました。

PharmacityとOmipharmaは医薬品と日用品なども取り扱っており、日本のドラッグストアのイメージに近い店舗です。どの薬局でも医薬品以外は日本製の商品が非常に多く、日本語表記のまま販売されており、馴染みのものが数多くありました。オンラインで顧客と話しながら薬を決めて配達することもあるそうです。

また、日本人医師の経営するクリニックにて現地の医療事情を伺いました。薬に関してはそれほど不自由なく、流通しているものから選んで処方するとのことでした。重症の場合には大きい病院を紹介するか、日本に帰国することが多いそうです。日本人向けのクリニックも比較的多く、大都市にいれば日本人医師による診察は受けやすいと思われます。

民間医療機関のMediplusとVietDuc国立病院では、院内薬局の薬剤師さんとお話することができました。ベトナムでは薬剤師の国家資格はなく、6年制大学または3年制の短大を卒業すると薬剤師になれます。6年制を卒業すると大病院の薬局に勤務することができるようです。

国立病院の前には日本と同じように多くの薬局が軒を連ねていますが、院内薬局で薬を買う人が多いようです。VietDuc病院は救急医療も行っており、薬局も24時間開局しているそうです。院内では紙の処方せんとともに、データも薬局に送信されてきていました。病院薬剤師さんは医薬品の品質にこだわっていて、街の薬局は品質に問題があることも多いと考えていました。ベトナムに限りませんが、アジアでは偽の薬が流通していることも多いようです。薬価が存在せず自由価格のため、価格競争もあり、偽薬が流通する一因でもあるといえます。

彼らは日本の薬は品質がよくとても信頼できるけれど、規制で輸入できないのが残念であると語っていました。ベトナムでの医薬品輸入先は主にEUとインドで、ジェネリック品も多く使われています。どこの病院、薬局でもCa拮抗薬やARB、PPI、NSAIDなど在庫しており、日本と変わりなく処方、販売されています。

ベトナムの医療水準は高いとは言えないものの、MRIなど設備の整ったクリニック、病院も多く、VietDuc病院では年間数百例の腎移植も行っているそうです。一方で、前述したように気軽に病院を受診できないため、まずは街の薬局に相談するのが一般的になっており、セルフメディケーションが浸透しています。一部品質に問題のある薬が流通することはあるものの、薬剤師は症状を聞いて薬を勧めたり、受診勧奨をする慣習となっており、薬剤師らしい仕事が出来ているのではないかと思いました。

雑記

ハノイの料理

ベトナム人はあまり甘いものや辛いものを好まないそうで、ベトナム料理は味付けも比較的マイルドで日本人の口に合うと思います(パクチー苦手な人は抜いてもらいましょう)。ベトナムと言えば米粉麺の「フォー」が有名ですが、ハノイの名物料理で「ブンチャー(Bun cha)」というベトナム風つけ麺がおすすめです。他にも色々と美味しい料理が沢山ありますので、行かれた際には是非食べてみて下さい。

ハノイの街

街は車とバイクと人が入り乱れていますが、阿吽の呼吸で避けながらうまく走っています。道を渡る時は走らず止まらず一定のスピードで渡ることが大事だそうで、そうすると上手に避けてくれます。クラクションは警告というより自分の存在を知らせるためのもののようで、鳴らされても誰も気にしないため朝から晩まであちこちでクラクションが鳴り響いています。

街は車とバイクと人の熱気で東南アジア特有の雰囲気があり、一方で高層ビルが立ち並ぶ区域もあります。エネルギーに溢れ、これから益々発展していくのでしょう。

 

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